ろくでもない

中学の同級生とLINEをした
LINEで人とやり取りする事なんて滅多にない
カリスマ性のある、ひそかに憧れていた人物
一時期LINEの背景やメッセージが不穏に移り変わり、ヤクザの手伝いをさせられているんじゃないか と考えていた
成人式に来るか訊かれて「貧相な体躯が気になるので行かない」というと「長袖を着てれば問題ない 笑」と返ってきた

行くつもりは一切なかったけど、少し顔だけ見せてすぐに帰ろうと考え直した
成長した同級生達がどうなっているのかは多少興味がある
不穏だった時期については言及しなかった

中学時代の自分は今より独り善がり的な考えを持っていて
「他の人達も苦労しているんだろうな」なんて勝手に思って人付き合いしていた
けど、それは間違いで、だからと言って配慮したり気を遣ったりする必要はない事に気が付いた

苦労していて、自分の抱えている問題と向き合ってきた人間は 言葉遣い 考え方 行動の仕方
このどれかにその人の 乗り越えてきた困難 の軌跡が見て取れる
それがない人達というのは、向き合ってこなかった人達で、プライベートな付き合いでそんな人達に配慮したりする必要は全くない

気取ったこの日記
卒業文集を掘り出してみると、中学の頃から若干気取っているようにみえた
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賢い人間への憧れがこうさせる
横の「色々学んだ」も私
字が汚く、浅い

未だに憧れは強く残っているが、いつまでもこのままでいるつもりはない
この時期の自分は確かに存在していて
この活動が終われば無理矢理でも性格が変わりそうな、変わらざるを得なくなりそうな環境に身を置くつもりだ
もっと馬鹿らしく、清々しく生きていきたい

話した人の中で特に清々しく、快活だった人を思い浮かべた

大麻下着(仮名)さんとする
22番目に話した人物
高校三年生で、もう少しで女子高生というブランドがなくなる事を嘆いていた
幾度も「養って欲しい」とつぶやく彼女は常に“良好な関係の彼氏相手に彼女が出しそうなボソボソ声”で話す
私は久々に自ら人間に関与して行く最中だったので、若干ドキドキした

漫画を読むのが速いらしいが、殆ど内容が頭に入ってないんじゃないかと思った
私が常に敬語で話している事が気掛かりなようで、何度か指摘してきた
「敬語は鎧だ」と返すと、鎧を着てるからコミュ障なんだと半笑いで煽る
歯に衣着せぬ物言いには好感が持てた
最上もが というアイドルが好きらしく、ライブに行って応援する為にオタ芸を練習中との事で、話ぶりは快活であるが、大人しそうな雰囲気を持っているので意外に感じた

一人称は僕
理由を尋ねると“私”で話すのが小っ恥ずかしいという
続けて、飄々と言葉を連ねる彼女が少し真面目なトーンで「こんな事初対面の人に話すのもあれだけど」と語りだした
話を聞くと、身近にいる自己同一性障害の友人に影響を受けているらしかった
所謂僕っ娘という存在にはそんな形があるのかと知り新鮮だった
大半の人が何となく使用しているとして、彼女は大分自覚的だからこそ気付き、説明できたのだと思う

人付き合いという物への緊張を解してくれた存在の一人かも知れない


この日記での一人称は“私”
“僕”に変更したいと思う事は度々あるのだが、文体も安定していないのに一人称まで転じるのはどうかと思い貫いている

ろくでもない人間だと言うのに弁えずこんな書き方をしているのは京極夏彦の小説に登場する 関口 巽 という人物に影響を受けているのかも知れない

駄目人間 対人恐怖症 問題解決能力がなく
陰摩羅鬼の瑕』では“身体的言語からも問題が見て取れる人間”なんて描かれ方をしている
彼は小説家で、一人称が私で、少しだけ周囲に抗えているように見えた
謙虚とは言えないから、度々旧友から痛烈な批判を受けたりする
謙虚と卑屈は別物

一人称について指摘されたら、京極夏彦の小説に登場する人物で言えば 関口 巽 に似通っているから と答えるか
似通いたいから の方がいいか
書いている内に気付いた
あの境遇が少し羨ましい というのもあるかも知れない

駄目人間ではあるが、周囲の人間達に見限られず、鋭い指摘を貰っている
周囲の優秀な人物のようになれるビジョンは浮かばず、それで 関口 巽
どうかと思う

人との繋がりは彼より希薄なので、せめてそこは上回ってみせる

未完成のままでのぼる舞台上

回転しない寿司屋さんのバイトを始めたのだけど、最近行ってない
別に嫌な事があった訳じゃない

3周間連続で無断欠勤してる
というのに、週5でバイトを入れたいなんて考えてもいる

久しぶりに自己を直視して、「心底くだらない」 と思い、何か書き残したくなった
大いに不足した状態で、もう二十歳手前だ
嘲笑混じりの「おめでとう」を受け取りたい

インタビュアー活動は断念していた
代わりに過疎な掲示板の住民相手に啖呵を切って、延々と人格攻撃を行い続けていた
住民からはサイコパス扱いされた
終わってる

その掲示板を規制された頃
私に呆れていた人がいたので、愛想を尽かした人もきっといた事だろうな


この日記を書くにあたって、書き終えた記事を真っ先に見せていた人がいる
ウユニ塩湖(仮名)と呼ぶ
メモをみると、ウユニ塩湖君はインタビュアー活動の6番目に話したらしい

ウユニ塩湖君とは上記した掲示板伝いで知り合った
現在16才
彼は14才の頃に強い個性が原因で排他的なその掲示板で叩かれていた
2年経過した今ではその成長ぶりに掲示板の管理人も感心する程で、私も見習わないといけない
去年の10月以降話していない
年下で、私よりも遥かに色々な事を知っている
ウユニ塩湖君の場合は“愛想を尽かした”より“失望した”と言った方が良いかも知れない
三島由紀夫の『金閣寺』のようなすごい物を書きたいと言っていた
小説家志望で、素人目に見ても才能というか、素質があるなと思った

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厳しい人に見せたら酷評していたが、16才でこれを書けるという事をもう少し考慮してあげて欲しい

私の好きな無名音楽家の曲を聴かせると、気に入ってくれて、“女性目線の素晴らしさ”について滔々と語っていたのを覚えている

コドクナコドク by sugino875 #np on #SoundCloud
https://soundcloud.com/suginohanako7083/aozka961d8rv


未だに自慰行為をした事がないらしく、成人式に友人の前で放つらしかった
ひたすらに饒舌で、会話の際には弛まず弁舌を振るっていた

海外でホームレス生活がしたいという話をウユニ塩湖君にした事があり、忠告をされた
「活力による代償に注意してください」 とか何とか
彼はどうしても辛くて仕方なかった時、韓国から日本へ帰ろうと一人で頑張った事があり、今までにないほど疲弊したと語っていた

彼なりの経験談で私を引き留めてくれたのか

「完全な状態で死にたい」と言っていたのも意外だった
失礼になるが、彼はどちらかと言えば孤独にみえて、そういう人達は夭折を望むと思っていた

「なるべく衰えぬよう、流れに逆らわず、老いを加速させるような事はしない」と言っていた

学校では文章の感想や添削を頼まれる事が多いと語っていたので、記事を書いては彼に送り付けて感想を貰っていた
それが大きなモチベーションにもなっていた
初めて書いた日記の文章を褒めてくれたり、楽しみにしていると言ってくれた

いつだか私の事を「他の人はしないような言い回しをする」なんて褒めていた
挙げ句「独り暮らしを始めて、あと数ヵ月で生活が安定するから、安定したら情報提供者として好きに使って貰っていい」なんて事も
言ってしまえば、彼は私の事を過大評価していたのだ
大学へ入学すれば様々な人種と交流を持ち、私が如何に矮小な存在かすぐに気付ける

その時期を私の手で少し早めただけで

他人から知らずの内に幾つかの期待を向けられていて、それがどんな物か判別できずに、無作法な行動をして裏切った
癪に障るかも知れないけど、この活動を始める前から予見していた事ではあった

自己の未熟で人が離れて行く
繋がりが微かな物だったとしても、私には大きく、魅惑する者達で、結局、離別の意はしっかりと私の心を砕いた

未熟な状態で遥か高みの人間達と無理に接触すればどうなるかなんて分かっていた
何が悪いか自覚した上で治す努力を怠る
言い逃れが出来ない程の屑

掲示板荒らしをしていた間も、し終わった後も、連絡を取っていない
彼がまだ楽しみにしてくれているかは知らないが、無関係に書いていこうと思う


書き始める前に母と姉が喧嘩していた
その不毛さにぎこちなく釣り上がる口角

無性に品のある人と話したくなって、育ちが良さそうな人に連絡を取ってみたけど、恐らく叶わない

貧相な体躯
淀み気味の思考回路

そんな状態で何故続けるのか訊かれたら、意地と答えるのが妥当だろうか

.

雪だるまを探すのが好きだった。

今年もこの街には降らない。
雪のない、寒いだけの冬は懲り懲りだ。

半袖で寝ると目覚めが良くなる事に気が付いた。
起きると寒さを通り越して何も感じない。
暖かくなるまで続けようと思う。


クリスマスらしく、一応、プレゼントを貰った。

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いらない


今時、中学生でもこのプレゼントは喜べないんじゃないか…。

まだ食べ物の方が嬉しい。
普段からそう、自分が好きな甘いものやお菓子を買ってくるのではなく、血肉になるような、ちゃんとした食べ物を買ってきて欲しい。

指摘すると、少しの間は買ってこなくなったが、最近また買い始めた上に「自分は食べて太ってしまうから」という理由で菓子類を押し付けてくる。
糖分の分解にはカルシウムが必要となるので、本当にいらない。

クリスマスケーキよりカップラーメンの方がおいしく感じた。
菓子類は日頃からちゃんとした食事を取っている人間が食べる物だ。

私が救いようのない程に気が狂い、誰かの親になるような事があったとして、自分の親よりは子を気にかけてやれるという確信がある。


年の瀬には、人と関わっている最中「自分は人として生理的に受け付けない母の息子なんだ」と強く感じる事が多々あり、家族と似た点を見付けると、堪らなく気が滅入った。

そして消極的な屑が揃った家族とできる限りの距離を取りたくなる。
来年は積極的な屑になれるよう少し努力する事をここに決意表明しておこう。

数え切れない程の沢山の人を利用して、迷惑をかけ、私の肉親では決して辿れない結末を迎えてみせる。


他人とのやり取りを書く気分にはなれない。
貰い物は捨てずに飾った。

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想起天井

起きた。もはや虫の声すら聞こえない。

味噌煮込みおでんがあったので食べた。
通常のおでんとは違い、味噌は大根よりコンニャクの方が滲みやすいのか異様にコンニャクが美味しかった。

9番目に話したサクラ(仮名)という人がいる。
おでんを食べ終わり、天井を眺めていると「休日はずっと天井を眺めている」と度々口にしていた彼女を思い出した。

会話の度に、何かしらの料理を作っていたのを覚えている。
料理本は一頁目から順番に作って行くらしい。

基本的にこの活動を始めて繋がった人は、私が質問をして話を広げて行く形になっているのだが、彼女はよく質問をしてきていた。
私が質問した分だけ質問し返していた。

彼女が言うには「世の中は自分の事を話したがる人ばかりだから、質問して話を聞いていれば相手は満足するし、会話は成り立つ。」との事だった。
しかし、私も自分の話をせず、質問をばかりするので苦戦したそうだ。
彼女は私と話をしていると新鮮だと言った。
ここまで人に質問されることはあまりなかったし、されても流していたが、私が一歩も引かないので逃れられず、ちゃんと考えて答える羽目になる。
それを繰り返している内に、今まで気付かなかった事に気付くようになったと言っていた。
それを聞いた私は、そういえば最近似たような話を読んだことを思い出した。

「覘き小平次」という小説。
その中で、語る口を持たない枯れ木のような小平次という男と、様々な人間に成り済まし続けた結果、己を見失ったと語る治平という男の会話がある。

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語る事により己という物は厚みが増す。
しかし、相手の理解を得られないまま、一方的に言葉を連ねるなら、それは電柱でも事足りる。
彼女にこの話をした。感心していた様子だったが、上手く説明できたかは覚えていない。

彼女は「人としての行事は一通り終わった。あとは結婚するだけ。」と言っていた。
婚活パーティーに参加して散々な目に遭ったと私に溢していた。
2分の間隔で人と入れ替わりに話すらしい、とても疲れそうだ。

長年付き合っていた恋人に「教養がなさすぎる、馬鹿すぎるだろ。」と言われてフラれたという話もしていたな。
私も恋人ができたら、似たような台詞を言われてフラれそうだと思った。


家族が使うマウスのクリック音。一定の間隔で狂う時計の音。
書いている途中で聞こえてくるすべての音だ。侘しい気持ちになってくる。

この一週間は誰とも会話しなかった。
靄が晴れない。

蟻目線

変わり者、一線越えた人間について考えていた。

たまに考える事がある。
犬を飼っている。12年以上付き合いのある犬。
彼女を私が殺めて、調理して食べでもすれば一線を越える事が出来るだろうか。一応の結論は出た。
一線を越える事は出来るが、私は少し時が経てばまた線の内側に戻ってしまう、と。
泣いて、後悔して終わる。
たまに犬を母の友人に預ける。いない時は視界の端に幻覚が映ることがある。
その幻覚を見てまた涙ぐむ。
殺しても、勝手に死んでもそうなると思う。
繰り返しの中で気が違って、向こう側へ行けるとも思えなかった。
本当にくだらない事を考えている。


四日前に保護観察者の人が家にきた。
五十代前半の男性だ。
一ヶ月に二度、訪れて少し話をする。
その人が「僕は変わってるでしょ」と言った。
携帯の話になり、携帯を持っていると束縛されているようで気分が悪いと、持たない自分は変わっていると、得意気にそう言っていた。
私はその人を見下した。結構早い段階で無意識に見下していたかも知れないが、自覚的に。

確かにこの便利な世の中、十代の若者が携帯を持っていないという話なら少しは変わり者だと感心もするが、それが五十代の人間なら話は別だ。

普段、私はその人に対して無言を決め込んでいる。
そうすると早く帰ってくれるからだ。
しかし、その日は少し噛みついてやろうという気持ちになった。
変わり者について考えていた、悩まされていた私には必要以上にその言葉が癪に障った。

結果は逆効果だった。
以前まで終始無言だった私が話しに乗ってくるので気を良くしたのか、とんだ長話になってしまった。
聞きたくもないアマチュア無線の話を聞いた。
アマチュア無線は赤の他人と話ができる物らしく、資格も必要と言っていた。
似たような物で「斉藤さん」というアプリがあるのだが、相手が嬉々として話している手前、気を遣い話さなかった。
いつもは三十分程度で終わるのだが、その日は一時間以上付き合う羽目になった。
話さなかった事は後悔している。

そのアマチュア無線で仲良くなった友人と林檎狩りへ行ってきたようで、林檎を二つ貰った。
林檎はヘタがないと商品としての価値が下がる。
その林檎二つはしっかりヘタがついており、付くように収穫するのは難しかったと、得意気に話していた。
林檎は甘くて美味しかったのでまあ良い。


どうして「変わり者とは何か」などと考え事をしていたのかというと、昔から特別視していた人がいて、その人から魅力、特別性を見失ってしまったからだ。
今回は彼について書こう。
分かってる。前置きが長いなんてこと。

呼び名は佐藤(仮名)とする。活動を始めて3人目に話した。
個人的な話になると質問をしても素直に答えず、なかなか手強かった記憶がある。

何に起因するのかは聞けていないが、佐藤は俗に言う処女厨だ。
結婚の話になった時に白状していた。
聞くと、仲の良い相手がおり、互いに将来を誓い合っているようだった。
佐藤と私は同年代で、既にそんな未来の事まで考えているのかと、少し懐疑的な気持ちを抱きながらも感心した事を覚えている。

そこまで相手を大事に思っているのかと尋ねると、「俺っちは一途だからよ」と言った。
たまに照れ隠しで一人称を変える。

以前の彼は時折不安定になることがあった。
一度だけその不安定な時に話をしたことがある。
その時はペンを机に叩き付けながら奇声を発したり、芸人の一発ギャグを脈絡なく会話に放り込んできた。
私が「うるさい」というと、少し笑った。

次話す時にはもう大学へ入っており、生徒の8割が女子で毎日退屈だと嘆いていた。
佐藤が退屈な人間になったのは、個人的にこの環境が原因だと考えている。

三年来の友人で、今では見る影もないが、一年近くは羨望していた。
私が彼以上の人、数人と繋がりを持ったということもある。
佐藤は中身がある風の言葉をその場その場で恥ずかしげもなく吐くことができる。
その言葉には、彼の内側から絞り出された思いが乗っているのだろうと幻想を抱いていた。それも違っていたようだ。
ホストをやりたがっていたから、自覚はしているのかもしれない。
佐藤について他の人に話すとその人は「大人になったんだろう」と言っていた。
考えないでいられるようになる。脳死
そうかもしれない。

私が小学校に入ったばかりの頃、祖母が他界した。
葬式は人が沢山来ていたのと、隣で泣く姉と母しか覚えていない。私は泣かなかった。
それからすぐお花見することになり、私は他の子と一緒に桜の木に登って遊んでいた。
母はヤケ酒をし、親族もいる場であられもない姿を晒していた。
その姿を見た幼い頃の私は、何故だかとても母に対して怒りを覚え、落ちていた桜の木の枝を持ち、酔っ払った母の後頭部目掛けて降り下ろした。

強めに降り下ろしたはずなのだが、当時の私はとても非力だったようで、私に気付かず、母は談笑しながら酒を飲んでいた。

佐藤について書いていたら思い出した。
気持ちとしては、少し似通ったところがあるのかもしれない。

酷くぼんやりしている。
とても文章を書けるような心情ではなかったが、書いておかなければいけない気がした。
私の嫌な部分が沢山でてしまった。
心が荒みきっている。

近頃犬の手術がある。
死なれても、しっかり向き合って悲しめる気がしない。
今の私から流れる涙は恐らく潔白ではないから、もう少しだけ生き存えて欲しい。

生存報告

長らく更新していなかったから、無事に東京から帰還できなかった人みたいになってしまった。

他に書きたい事が山積みになってしまっているので、とりあえず東京の話を書いておく。
といっても、初めて東京に行ってから大分時間も経ち、殆ど覚えていないので印象に残った事だけざっくり書く。
それと、改行が多くて見づらいという意見を貰ったので、今回はなるべく改行せず、句読点を使って書いてみる。
余計読みにくくなっていたら始末に負えない。

初めての東京に募る不安。過保護な母親の如くLINEを送ってくる知人、そのお陰で気が楽になる私。

夜行バスでラジオをずっと聴いてしまい、切れる携帯の充電。

ネカフェのショーペンハウアーのような髪型をした店員。
ずっと目を見続けてきたのでソシオパスかもしれない。

スクランブル交差点を平然と歩く、翡翠の眼をしたハリウッド俳優のような外国人。

新宿2丁目、驚異の坊主頭、短パン率。

印象に残っている事はこれくらいだろうか。あとは一緒に遊んだ二人について書こう。

一人は過去の記事で書いたオンナさん、もう一人は「オカマ(仮名)」さんと呼ぶ事にする。
過去の記事に美容に詳しいと書いてある。そういえば、綺麗な肌を維持する秘訣を教えてもらっていた。

ビタミンと野菜は欠かせない。人並みに肉は食べるがそれ以上に野菜を食べる。ご飯を食べるときは最初に野菜を食べる。その方が肉を食べた時に血圧が上がらず、なだらかになり、野菜でお腹が膨れ一石二鳥。
油で出来るものとは違い、大人になってからできるのは老廃物が原因のにきび。お菓子を食べる習慣がない。
皮脂がでやすいので朝、夜と洗顔料を使っている。
洗顔料のあとに化粧水。使っている洗顔料はエテュセの「ジェルムース洗顔
乳液は男だと逆に皮脂になる可能性がある。化粧水は西友に売っている「化粧水と乳液これ一本」
肌に関しては1に食生活、2に運動と生活リズム、3に化粧水、洗顔
毎朝「ブルガリアヨーグルト」を半分食べる。
これを続けることにより、摂るおにぎりやインスタントの量も減る。
一週間の内、合計して出てくる野菜の種類は6種類程度。
キャベツ、トマト、玉ねぎ、ブロッコリーコマツナ、ひじき、にんじん。
一家で野菜を沢山摂る。野菜の皿が大きいので家族全員でバクバク食べてる。
献立を決めてるのはお母さん。オンナ家は食材にお金をかける。家具は必要最低限。朝起きたらスコーンを作り名前を付ける。

彼と話した時の記録から抜き出してきた。肌荒れで悩んでいる人の参考になるといい。

オンナさんは小さい頃に、父親の仕事の関係で知らない人と話す機会が多かったからか、人付き合いが上手いのだが、問題は相方のオカマさんだ。
オカマさんは活動を始めて2番目に話した人だ。この人に関しては言いたい事が沢山あるが、今回はグッと堪える。

オカマさんは簡単に言うと危険人物で、のろのろ歩く鳩相手にキレる。アイドルの話を大声でする。
周りに人がいようがお構い無しだ。並んで歩きたくないので、私は常に二歩下がってオカマさんと歩いていた。

合流して休める場所を探していると、何か閃いた様子で「そうだ」と言いながら手を合わせた。
魅力的な女性と、顎髭が目立つ成人男性がやるのとではここまで差が出るのかと感嘆した。
一挙一動がとても奇っ怪で、注意深く見てしまった事を反省している。

ネットでしか繋がりのない人と実際に会うとどうなるのか不安だったが、通話と何ら変わりなく、自然に話せた。
初めて一人で遠出して、少しだけ成長した気分にもなっていた。

あの日は思っていたより悪くなかった事を、ここに記録しておく。

まだ見ぬ東京への情景

窓を開けると部屋に冷気が流れ込む
そろそろ肌寒くなってきた
もうクリスマスツリーを出している家を見掛けた
そろそろ霜月の季節だろうか


明日、東京へ行く
今日の23時出発の夜行バスに乗り22日の朝6時に到着する
昨日、東京で会う大学生男性と社会人男性の二人と計画し
行き方も教えてもらい不安は取り除かれた
しかし、二人と話を終えたあと
また不安が芽生え、遠足が楽しみで仕方ない子どものように落ち着かず4時頃まで眠れなかった
それから9時に起きたが、三度寝くらいしてしまい14時に起きた
三度寝の間に見た夢はそれぞれ東京に関する私の心情を表していた

東京に行く事が決まり、話したい人に連絡を取ろうと考えていた
しかし、先に夢の方で話す結果となった
「「寝た?」とか聞かないで、こういう面倒な事聞く人は嫌い」
と夢の中の私は忠告されていた
そんな事聞いたこともない
電波が悪くなり途中で切れ
そのまま東京に向かった
無事に着き携帯を見ると話していた人からチャットがきていた
私は気付かずさらに「中卒の癖に寝てるのかよ」と送られてきていた
とんでもなく理不尽だ
しかし、それを見た夢の中の私はまったく傷付かなかったどころか
現実にはお互い敬語で話す関係だったので
罵倒し会える仲にまで距離が縮まったのかと喜びすら感じていた
起きてからその事を思い出し
大分精神にガタがきているなと思った

そして肝心の東京
そこは私が想像していた東京の街並みとは駆け離れた姿をしていた
見渡す限りの海賊映画に出てきそうな大量の酒が乗った丸テーブル
そこに座って談笑する黒スーツ達
全員サングラスをかけ中には銃をテーブルの上に置いている者までいる
いかにも私達はマフィアの人間ですという身なりをした集団の溜まり場だった
止まない銃声と怒声
完全に寝る前観た
マトリックスのパクりかと思ったら映画史上に残るアクション映画だった」といった題名の短い動画を観て
マトリックスに登場する黒スーツを思い出したのが原因だ
私がマフィアを避けて通りを歩いていると
したり顔で「あいつは銃を持ってるぜ」と自身の洞察力を自慢するように黒スーツがひそひそと話していた
いや、銃なんて持っていない
濡れ衣で変な絡まれ方はしたくない勘弁して欲しい

そのまま通りを歩いていると殺人現場に遭遇した
ちょうど私の目の前で人が殺された
私は第一発見者として証言を求められたが
マフィアに上手く伝わらずアスペルガー症候群扱い
そのまま病棟に隔離された、マフィアふざけんな
脱出して今度こそ本当の東京へ向かおうとすると
怪物が現れ、行く手を阻んだ
手が沢山生えていて見るからに化け物といった風貌をしているが
顔はマフィアだった
これは昨夜HUNTER×HUNTERのキメラアント編が観たくなり
20分くらい観たのが原因で間違いないと思った

怪物に「弱いから消えろ」みたいな事を言われて東京へ向かおうとすると
必需品のおむつを忘れていたことに気付き(何故おむつが必需品なのか)
一度家へ帰宅した
いつの間にか鞄に入っていたサングラスを見付けた母に
「あんたサングラスなんか買って」と怒られ夢から覚めた
私の不安が顕著に表れた夢の連続だった


寝てしまった一因としては餅米を少し食べてしまったせいだ
今日に限って何故か餅米だった
食べない訳にはいかなかった

起きてからは急いで支度をして床屋へ行く
今までずっと美容院だったがあそこは洒落た音楽に良い香りが眠気を誘い首ががくんと落ちる
あれは恥ずかしい出来事にランクを付けるならかなり上位に喰い込む出来事だ
出来れば行きたくない

美容院のようにピンクとオレンジのオーラが漂っていない
見るからに床屋という建物に入った
今年は自分で髪を切り
ちゃんとした場所で切ってもらうのは久々だ
内観は意外と小洒落ている
いかにも床屋の親父といった人はいなかったが
若い理容師もいないようだったので安心した

毛先を遊ばせている二十代後半らしき人が担当してくれた
髪について聞かれたので自分で切ったというと器用だねと言っていた
まあ、オールバックは髪を梳き掻き上げるだけなので私でも簡単に出来る
シャンプーが終わり、髪を切り始めた
がっがっと頭皮が傷付くんじゃないかという程に強く櫛で髪を掻き上げ
その直後に優しく髪を撫で下ろす
この男、間違いなくDV男の素質がある

一通り私が考えていた理容師のしそうな事が終わると
急に理容師がポンポンと肩を叩き出した
リズミカルにずっとポンポンしている
頭、首、両肩を順にポンポンし出した
私の身体で音ゲーを始めたのか
何が起きているのか分からなかった
マッサージにしては軽過ぎる
想定外の未知な出来事に笑いそうになったが
歯を喰い縛り口角を押さえ付けた
結局何も知らされずリズミカルポンポンが終わった
私の中に違和感が残ったまま女性の理容師に交替した

女性の理容師は顔の無駄毛を剃るのが役目らしく
剃りやすいよう顔にジェルを塗り始めた
塗り終わり、顎に差し掛かる
すると女性理容師の指が私の唇を這った
一度ならず何度も唇の上を這い進んだ
何だかその指の動きがとても艶かしく
気圧されそうになった
しかし、逆の立場なら私にだってそれくらいの事は出来ると自分に言い聞かせ、堪えた

剃っている間に毛先遊ばせ理容師と坊主理容師が談笑し始めた
地震の話と、辞めた理容師の話
辞めた理容師は大学生が苦手らしく
坊主理容師に「大学生めんどくせえ」と言い辞めたそうだった
坊主理容師は若干韻を踏んでいるこの台詞を言っている内に気に入ったのか
「大学生めんどくせえってさ」「そうそう大学生めんどくせえ」
「大学生めんどくせえだよ」と毛先遊ばせに連呼していた
ラッパー志望か

理容師の会話に耳を傾けている内に剃り終わったらしく
顔全体をほぐす目的のマッサージが始まった
またとんでもなく艶かしい指の動きが始まったが
私でも出来ると強く念じ堪えた
マッサージが終わると唐突に鼻から下を覆うように熱いタオルをかけられた
熱すぎて肌が焼けそうだ
日焼けサロンの中もこれくらい暑いのだろうか
このまま日焼けしたら鼻から下だけ露出した鎧を頻繁に着用している人みたいになる
幾ら何でもそれは不名誉にも程がある

そんな事を考えているとタオルを外された
安心し、一呼吸ついた
すると今度は顔全体を大きな灼熱タオルに覆われた
完全に不意を突かれ、殺されるかと思った
何とか息を止め難を逃れる
ようやく女性理容師の役目が終わり毛先遊ばせ理容師に交替した

今度は機械を使った電動マッサージが始まった
どうやら先程のリズミカルポンポンはどの辺りが凝っているのか確かめているらしかった
ようやく謎が解けた
マッサージで血行が良くなった部分は痒くなるらしい
唾液が原因で痒くなる蚊とは随分違う
血行が良くなり痒くなるのは何故だ
良くなった部分は元気になり良くない部分と比べ盛り上がったりするのか
その違和を感知した身体が「奴らを抑えろ」
と命令を出し痒くなるのだろうか
世知辛い

最後に毛先遊ばせ理容師に「油付ける?」と訊かれた
油、恐らくワックスの事なのだろうが
美容師ならしないであろうその呼び方がとても床屋らしく好印象だった
油は少しだけ付けてもらった
お会計4000円を出し
300円引きのチケットを手に入れる
オールバックではないが
名前が分からない良い感じの髪型にしてもらった

店から出るとにこやかな老人が立っており
「ありがとう、またきてね。」と言われた
外にも刺客を用意している、なかなか油断ならない良い床屋だった

髪を切り、あとはコンビニ決済を終えるだけだ
近くのサークルKを探すと10分歩いた先にあるようだった
スマホ片手にGoogleマップを見ながら歩く
そんな自分の姿を客観視すると
未だにポケモンGOをやっている化石人間みたいだ
前方からシーラカンスが泳いでくる
なんて思われたら堪らないと思いスマホをしまった

サークルKを見付け、コンビニ決済を済ませる
レジで領収書を受け取り出ようとすると
缶コーヒーを片手に並んでいたおじさんが店員に向かって
「なんやあれ、学歴か?」と言うのを耳にした
どうやら5500円で私が学歴を買ったと勘違いしたらしかった
あのおじさんは私が中卒だと看破したという事か
だとするとただ者ではない
それとも私から中卒オーラがでているのか
いや、あのおじさんが物事の本質を見抜く慧眼の持ち主なんだろう
そういう事にして気を沈める
不安になるからやめて欲しい

帰り道少女の群れが前方から迫ってきていたので
迂回して回避した
幼い少女程何を口にするか分からない脅威だ

帰宅すると、犬が寄ってきた
珍しい匂いを持ち帰ったからか
10分間程フンフンフンフンと上半身を嗅いでいた
身体検査か何かか


帰宅しブログを書いていると、もう21時だ
そろそろバス停へ向かおう、必ず生きて帰る。